「勧善懲悪型世論」

連日トランプ・バッシング記事の氾濫である。私もこの人が何をするかと考えるとぞっとしてくる。でもオバマ時代と比べてではない。前米大統領のしたことの多くがその前任者ブッシュのお陰で批判されないですまされたと私には思われる。

例えば、シリア内乱であるが、米国の諜報機関によって工作され、それにサウジなどが加わって引き起こされたもので、独裁者アサドに蜂起する反乱軍としてアラブの青年が傭兵として駆り出されたものだ。このことは関心をもつ人に知られていたが、少し前に特に反体制的でもないファイナンシャルタイムズに

『The rise and fall of a US-backed rebel commander in Syria』というテキストが掲載されていた。

https://www.ft.com/content/791ad3bc-ecfc-11e6-930f-061b01e23655

このような記事が、残念なことに、ドイツでも日本でもあまり注目されない。

この記事を読むと独裁体制に反対して立ち上がった称される人々はフィクションであったことがわかる。

我田引水になるが、すでに2005年にこのタイプの胡散臭い米国の工作について書いたことがある。それは「オレンジの次は杉」

http://www.geocities.jp/tanminoguchi/20050315.htm

 あの時以来、欧米社会世論の「勧善懲悪型世論」はますます強くなったことになる。トランプ登場でこの流れが少しでも弱まるなら本当はけっこうなことだ。